グループホームは介護が必要な状態であると認定されたことと併せて、医師による認知症の診断を受けた高齢者である事が入所の条件になっています。認知症の原因は様々でその症状も一人ひとりに違いがありますが、認識力の低下や意思疎通が困難な状態になった高齢者が在宅生活を継続していくことは簡単では無いのです。

グループホームは5～9人のユニットでサービスが提供されており、少人数で家庭的な雰囲気の中で日常生活が送れる工夫がなされています。さらに地域密着型のサービスであるため、基本的にはグループホームの所在地である地域住民が入居の条件になるのです。認知症を発症し在宅生活が困難になってくると、24時間体制で必要な介護が受けられる施設入所を検討するケースがあります。

施設に入所するために住み慣れた地域を離れて遠くの施設に入所せざるを得ない場合もあり、そのことが認知症状を進める一因になる場合もあります。認知症の高齢者にとって環境の変化は精神的な負担になるのです。住み慣れた地域の中でグループホームに入所して安心して生活を続けられることは、認知症を患った高齢者にとって大きな環境の変化も無く精神的な安心を保ちやすいメリットがあります。

住み慣れた地域の中で支援を受けることは自分自身が築き上げてきた人間関係が面会などによって継続できる環境になりやすく、グループホームに入所したことでこれまでの生活状況が断絶されずに地域との繋がりも保てます。ユニットケアで認知症にたいする技術を持った職員の支援を受けることで日常生活も活性化し、認知症の進行を抑制する効果も期待できるのです。